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栄養レシピ&コラム 2015年公開分
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キウイのあれこれ

キウイのあれこれ

 秋もだんだんと深まり、朝晩は冷え込む日も増えてきました。これからの秋から冬にかけて、旬を迎える果物の一つがキウイです。
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 キウイというと、外国のフルーツというイメージかもしれませんが、日本でも愛媛、福岡、和歌山などで栽培されています。4~12月頃に外国産、12~4月頃に国産のキウイが旬を迎えるため、一年中購入することができます。
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 キウイの原産国は中国で、古くから食用、薬用として利用されていたようです。1900年代に入ってから、ニュージーランドに持ち込まれ、栽培が開始されました。ニュージーランドのシンボルである国鳥キウイからキウイフルーツと名付けられたといわれています。日本へは1960年代に初めて輸入され、間もなく国内での栽培が始まり、拡大していきました。
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 もっとも一般的な、果肉がグリーンのキウイは「ヘイワード」と呼ばれる品種です。近年では果肉が黄色く、甘みが強い「ゴールドキウイ」、黄緑色の果肉で、種の周りが赤い「レインボーキウイ」、キウイと同じマタタビ属の果物で、直径が2~3センチと小さく、皮ごと食べられる「ベビーキウイ」など、いろいろな品種が登場しています。レインボーキウイやベビーキウイは、10~11月にかけて旬を迎えますが、まだ流通量が少なく出回る期間も短いため、見かけたらぜひおためしください。
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 キウイは全般的にビタミンC、食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンEが豊富です。とくにビタミンCの含有量は果物の中でもトップクラスで、キウイ1個食べると1日に必要な量の70%を摂取することができ、風邪予防や美肌効果が期待できます。カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎによる高血圧やむくみを予防する効果があります。
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 さらに、キウイには「アクチニジン」という酵素が含まれていることも特徴です。アクチニジンには、たんぱく質を分解するはたらきがあります。キウイのスライスやすりおろしに肉を漬込むと、アクチニジンの効果で肉がやわらかくなります。また、たんぱく質の消化を促し、胃腸への負担を和らげるので、肉や魚をたっぷり食べた後のデザートにもおすすめです。
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 しかし、アクチニジンはキウイアレルギーの原因となる可能性もあるため、キウイを食べた後15分以内に舌やのどのイガイガ感、口腔内の腫れやしびれなどの症状がみられる場合は、食べるのを避けた方がよいでしょう。しかし、症状がイガイガ感のみの場合は、キウイに含まれるシュウ酸カルシウムが原因とも考えられるので、過剰な心配は必要ありません。赤ちゃんに離乳食として与える場合には、少量から始め、様子をみましょう。
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 キウイの保存は、実が硬いものは常温で追熟させるか、リンゴと一緒にポリ袋に入れておくとよいでしょう。縦に軽く押してみて、やわらかくなったら食べ頃です。熟したものは冷蔵庫で一週間くらい保存できます。
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 さわやかな香りと甘酸っぱさ、一年中安定した価格と、半分に切ってスプーンですくって食べられる手軽さなど、魅力がいっぱいのキウイ。朝ごはんの一品に、食後のデザートに、ぜひ取り入れてみてください。